セイヨウニンジンボク:西洋ニンジンボク（別名　バイテックス、チェストベリー）　　　　　　　　　　
Chaste tree berry, or chaste berry ,monk's pepper　(Vitex agnus castus: Agni casti fructus).

高さ　6m

使用する部分；実

原産地；地中海

味；多少の芳香がありピリッと苦味がある味。

用途；月経、更年期障害の治療

セイヨウニンジンボクは、別名、バイテックスと呼ばれ、女性のホルモンバランスを改善するハーブとして知られています。この植物の優秀なホルモン効果をうながす作用は民間療法に利用されています。中世の時代、この植物は女性の生殖システムの不調に使用されました。今日ドイツにおける研究は、この植物は黄体形成ホルモンや催乳ホルモン製造を増やす能力を持つことを指摘しています。比較症例研究は実際に乳の流れを刺激することを確認しています。

　また、この植物は長く、過剰な出血を伴う頻繁な月経、あるいは出血の多い月経期間を制御する作用がることも明らかにされています。この植物は生理ホルモンのプロゲステロンの合成を刺激する作用が知られていますが、ハーバリストによりPMSと更年期、両方の症状に有効ということが発見された後、さらに生理エストロゲンの制御効果もあることが報告されています。
そのほか、子宮裏側の炎症の治療、正常の排卵や月経、避妊ピル中止後の月経を再び調節することに使用されています。これからの研究によりさらに多くの治療に役立つことが期待されている植物です。

利用法；乾燥したセイヨウニンジンボクの実をコショウの変わりとして少量を使います。こしょうと比べてそれほど強くはありませんが、ピリッとした味つけに利用できます。バーベキューやてんぷら、その他の料理のスパイスに混ぜて使うと良いでしょう。今日では、セイヨウニンジンボクは忘れられていますが、モロッコのスパイスミックスには用いられています。また、ティーとしても利用されています。

母乳の出を良くするためには；バーベイン、ボリジ、ゴーツルー、ブレストゥシストゥル、ディル、フェンネル、アニスシード、セイヨウニンジンボク、あるいはラズベリーリーフいずれかの抽出液を内服する。

母乳が出ないようにするには；１カップのお湯に２スプーンのセージを入れ作った濃い目のハーブティーを飲みます。

作り方；ティースプーン一杯のハーブにコップ一杯の熱湯をそそぎ紅茶を作る要領で作ります。熱湯を注ぎ15分浸して飲みます。一回１カップのハーブティーを一日に3回飲みます。

始めて飲むときや、濃すぎるときは浸す時間を5分くらいにし、薄めて飲むとよいでしょう。

注意；現在療養中、更年期障害、妊娠中、あるいはこれらの症状を感ずる場合はかかりつけの医師に相談して下さい。ハーブを薬として使用する場合は、医師のアドバイスが必要です。過多の使用はかゆみ、発疹、吐き気を起こします。妊娠中の使用は薦められていません。

母乳促進を助けるハーブ

ラズベリーリーフ：鉄分やカルシウムなどのミネラルを豊富に含んでいるため、欧米では”マタニティーハーブ”として知られている。また、母乳促進作用があり、産後、母乳で育てている多くの母親に利用されているハーブ。収斂作用があるため、妊娠初期は避けたほうがよいが、出産を控えた妊娠後期からは力強い味方となる。

ローズヒップス：ビタミン補給の定番ハーブ。ビタミンＣを豊富に含んでおり、ストレス時のビタミン消費の補給、および妊娠中に気になるむくみや便秘にも有効。（※鉄分の吸収率はビタミンＣやビタミンＢ12と一緒にとるとアップします。）コラーゲンの生成にも関与し肌の弾力を保つうえ、メラニンの生成を防いでしみの予防にもなる。ローズヒップスとは、バラ（バラの原種で薬効、香に優れている、園芸店で販売されている通常のハイブリッドのバラとは異なる）の果実。

レモングラス：芳しいレモンの香があり、胃の働きを刺激して消化を促す、血行不良、貧血予防、母乳促進などの作用があるハーブ。

ネトル：ネトルはミネラルの宝庫（鉄分、ケイ素、カリウムほか）、また、ビタミンを豊富に含むため、貧血気味の人や、母乳促進作用があるので、母乳で育てているおかあさんがたに人気のあるハーブである。ネトルの血液浄化作用は昔からよく知られ、最近では、じんましん等のアレルギー症状に、副作用が無く、安全な坑ヒスタミン剤の代替としてが注目されている。ビタミンA・C、ミネラル、鉄分や葉緑素（クロロフィル）を多く含むため、野菜不足の方にもおすすめ。花粉症の処方薬に変わる、安全な天然植物としても注目されている。

フェンネルシード：ダイエット（肥満の原因となる皮下脂肪中の老廃物を排出）のハーブとして有名なフェンネルは、母乳促進のハーブとしても知られている。産後の体重増加の減量と母乳促進作用は、一石二鳥。

オレンジピール：オレンジの皮に含まれるビタミンＰは、血管を強化し、抗酸化効果を持つ成分として代表的な成分、美白効果のあるビタミンＣが多く含まれています。 鎮静・利尿作用、不眠症の改善、身体の中を綺麗にする効果があると言われています。